杭全神社拝殿の前にある、青銅製の狛犬。
その足には、様々な紐が幾重にも巻かれているのにお気づきでしょうか?
理由を尋ねられることがよくありますが、中には「狛犬が逃げ出さないように、縛ってあるんですか?」と仰る方も。
他ではあまり見られない光景に、お参りの方も不思議に思われるのでしょう。
実はこの紐は、「走人(はしりびと=家出人)足止め」を祈願して結ばれたものなのです。
その祈願方法としては、
- 適当な紐を二本用意します。
- 一本を狛犬の足に結んで、願を掛けます。
- もう一本を持ち帰り、家出人が残した履物に結んでおきます。
このようにすると、必ず居所が判るか、家に帰ってくると古くから言い伝えられてきました。
さらに最近では、客足が遠退かないようにとか、恋人の心が離れないようになど、足止めにちなんで様々な願掛けをする方も増えているようです。